今日は、ITパスポート試験シラバス6.3で追加になったビジネスの世界で重要な概念「MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)」について、若手営業マンの視点から解説していきます。
MVVって何?なぜ営業に必要なの?
MVVという言葉を聞いて、「難しそう…」「営業には関係ないかな」と思った方もいるかもしれません。実は、このMVVは営業活動を効果的に行う上で非常に重要な概念なんです。
ミッション(Mission): 会社の存在意義
ビジョン(Vision): 会社が目指す未来の姿、理想の姿
バリュー(Value): 会社が大切にする価値観
これらを理解することによる利点としては、自社の製品やサービスの本質的な価値を顧客に伝えられるようになります。つまり、MVVは営業トークの核心部分を形作る重要な要素なんです。
実務での活用例:大手製造業A社の場合
ここで、架空の大手製造業A社を例に、MVVがどのように営業活動に活かせるか見てみましょう。A社のMVVを仮に以下として進めます。
バリュー:「挑戦」「誠実」「協働」
ミッション:「技術革新で人々の暮らしを豊かに」
ビジョン:「2030年までに、すべての製品をエコフレンドリーに」
ケース1:新規顧客へのアプローチ
新規顧客へのプレゼンテーションで、自社の製品の特徴だけでなく、「技術革新で人々の暮らしを豊かにする」というミッションに基づいた製品開発の姿勢を伝えることで、単なる機能説明以上の印象を与えられます。
ケース2:環境意識の高い顧客との商談
環境に配慮した製品を求める顧客に対して、「2030年までにすべての製品をエコフレンドリーに」というビジョンを共有し共感を得ることで、長期的な関係性を築ける可能性が高まります。
ケース3:価格交渉での対応
価格交渉の場面で、「挑戦」「誠実」「協働」というバリューを基に、顧客との Win-Win の関係構築を提案することで、単純な値引き交渉を超えた議論に持ち込めます。
なぜITパスポートでMVVを学ぶの?
「でも、ITパスポートなのに、なぜMVVなの?」と思う方もいるでしょう。
実は、ITパスポートは単なる技術試験ではありません。経営全般の基礎知識も問われるのです。
現代のビジネスでは、ITと経営戦略は切り離せません。例えば
- 社内のデジタル化推進プロジェクトに参加する際、会社のバリューを理解していれば、そのバリューを体現するようなシステム設計や運用方法を提案できます。
- 顧客企業のMVVを理解することで、その企業にミッションやビジョンに沿ったITソリューションを提案できるようになります。
- 逆に顧客企業のMVVと合致しない提案をしてしまうと、経営層の賛同を得られないリスクが高まります。
MVVを理解することのメリット
- 営業トークの質向上: 製品やサービスの背景にある理念を伝えることで、より説得力のある提案ができます。
- 長期的な関係構築: 顧客企業とのビジョンの共有により、一時的な取引を超えた関係性を築けます。
- 社内での評価向上: 経営的視点を持った提案ができることで、上司や他部署からの信頼が高まります。
まとめ
MVVは、一見すると営業とは無関係に思えるかもしれません。
しかし、これらを理解し活用することで、単なる製品説明を超えた、価値ある提案ができるようになります。
ITパスポート試験でMVVを学ぶことは、単に試験に合格するためだけでなく、実際のビジネスシーンで活躍するための重要なステップとなります。
ぜひ、この機会にMVVの概念をしっかり理解し、あなたの営業スキルを一段階上のレベルに引き上げてください。