ITパスポートを勉強していると、キャズムというカタカナの単語に出くわすことがあります。なんとなく難しそう…と感じつつも、試験に出るなら覚えないわけにはいきませんよね。
でも安心してください。キャズムは、一度イメージをつかんでしまえばとても記憶に残りやすい概念です。この記事では、セットで覚えるべきイノベーター理論の5つのグループから丁寧に説明し、最終的にキャズムがなぜ生まれるのかを具体例とともにスッキリ整理していきます。
試験合格に向けて、一緒に理解を深めていきましょう!
キャズムとは?一言でいうと新製品普及の大きな壁
キャズム(Chasm)とは、英語で深い溝や亀裂を意味する言葉で、マーケティングの文脈では新しい製品やサービスが一部の熱狂的な利用者層に受け入れられた後、一般の多数派へと普及するときに直面する大きな壁のことを指します。
多くの新製品は、最初に一部の先進的なユーザーには受け入れてもらえます。しかし、次の一般層への普及がなかなか進まず、その壁を乗り越えられずに市場から消えていく製品が非常に多いのです。この壁がキャズムです。
キャズムを正しく理解するには、まずイノベーター理論の基礎を押さえる必要があります。
イノベーター理論の5つのグループを理解しよう
イノベーター理論とは、新しい製品やサービスが市場に普及していく過程で、消費者をその採用の早い順に5つのグループに分類した理論です。

| グループ | 別名 | 市場割合 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| イノベーター | 革新者 | 約2.5% | 新しいものを真っ先に試す。リスクを承知で飛びつく |
| アーリーアダプター | 初期採用者 | 約13.5% | 流行に敏感。自ら価値を見出し、周囲に影響を与えるオピニオンリーダー |
| アーリーマジョリティ | 前期追随者 | 約34% | 比較的慎重。成功事例を確認してから導入する |
| レイトマジョリティ | 後期追随者 | 約34% | 大多数が使い始めてから、ようやく導入する保守的な層 |
| ラガード | 遅滞者 | 約16% | 最も採用が遅く、伝統を重んじる。変化を好まない |
試験では各グループの名称と特徴を対応させる問題が頻出です。特にアーリーアダプターの「オピニオンリーダー」という特徴は必ず押さえましょう。
身近な例で覚えよう:スマートフォンの登場
スマートフォンが世の中に登場した頃を思い浮かべてみましょう。
- イノベーター:発売日に長蛇の列に並んで、まだ荒削りな機能でも喜んで使う人たち
- アーリーアダプター:SNSで積極的に使い心地をレビューし、周りの友人に勧めるインフルエンサー的な存在
- アーリーマジョリティ:友人のおすすめや口コミを見てから購入を検討する、普通の会社員や学生
- レイトマジョリティ:スマホが多数派になってから、仕方なく乗り換える人
- ラガード:いまだにガラケーを使い続け、スマホへの移行を拒む人
キャズムはどこで起きるのか?
キャズムは、アーリーアダプター(初期採用者)とアーリーマジョリティ(前期追随者)の間に生じます。
なぜこの2つのグループの間に溝が生まれるのでしょうか。それは、この2つのグループが新しいものを採用する理由(価値観)がまったく異なるからです。
- アーリーアダプター:新しさそのものに価値を感じ、多少の不便があっても試してみる
- アーリーマジョリティ:実績や安心感を重視し、本当に使えるものかどうかを慎重に判断する
アーリーアダプターが熱狂していても、アーリーマジョリティには独自の安心材料(口コミ・サポート体制・参考事例)が必要です。この需要のギャップがキャズムという深い溝を生み出すのです。
多くのスタートアップ企業の新製品が、アーリーアダプターへの販売には成功しても、その後の普及で壁にぶつかって市場から消えていくのは、このキャズムを越えられなかったためです。
ITパスポート試験でのキャズムの出題傾向と対策
キャズムとイノベーター理論は、試験のストラテジ系(経営全般)分野で出題されます。用語の意味を正確に理解しておきましょう。
試験でおさえるべきキーワード
- キャズム:アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間にある深い溝。製品の普及を阻む大きな壁。
- イノベーター理論:消費者を採用の早い順に5つのグループに分類した理論。
- アーリーアダプター:初期採用者。オピニオンリーダー的存在。市場の約13.5%を占める。
- アーリーマジョリティ:前期追随者。慎重で成功事例を重視する。市場の約34%。
過去問に挑戦!
【問題】
イノベーター理論において、新製品などの普及に際して、革新的な消費者(イノベーター)とは異なり、流行に敏感で、自ら情報収集を行い、新しい製品をいち早く採用するグループはどれか。ア.アーリーアダプター
イ.アーリーマジョリティ
ウ.ラガード
エ.レイトマジョリティ【正解】:ア
【解説】:イノベーターの次に採用が早く、自ら情報収集を行いオピニオンリーダーとして周囲に影響を与えるのがアーリーアダプターです。アーリーマジョリティは成功事例を確認してから採用する比較的慎重な層なので、ここで間違えないようにしましょう。【問題】
キャズムとは、イノベーター理論において新製品の普及過程で生じる障壁を指す。この障壁は主にどの2つのグループの間で発生するか。ア.イノベーターとアーリーアダプターの間
イ.アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間
ウ.アーリーマジョリティとレイトマジョリティの間
エ.レイトマジョリティとラガードの間【正解】:イ
【解説】:キャズムはアーリーアダプターとアーリーマジョリティの間に生じます。この2つのグループは新製品を採用する価値観が大きく異なるため、製品の普及が停滞しやすい大きな溝が生まれます。
まとめ:キャズムはアーリーとマジョリティの間の溝
今回はイノベーター理論とキャズムについて解説しました。ポイントをもう一度確認しましょう。
- イノベーター理論とは、消費者をイノベーター・アーリーアダプター・アーリーマジョリティ・レイトマジョリティ・ラガードの5つに分類した理論
- キャズムとはアーリーアダプターとアーリーマジョリティの間に生じる大きな壁のこと
- 2つのグループが新製品を採用する価値観の違いが溝の原因
- 試験ではアーリーアダプターがオピニオンリーダーである点、キャズムの発生位置がよく問われる
一度しっかりイメージをつかんでしまえば、長く記憶に残る概念です。スマートフォンの例など、身近な事例で思い出しながら問題演習に取り組んでみてください。試験合格を全力で応援しています!
