【ITパスポート】FTPとは?ファイル転送の基本と安全な仕組みを解説

自分のパソコンで作った資料を会社のサーバーに保管したり、ウェブサイトのデータを更新したりするとき、ネットワーク越しにファイルを送る必要があります。

そんな荷物運びの役割を担うのが FTP です。今回は、ITパスポート試験でもよく出題される FTP の仕組みやポート番号、そして安全に使うための注意点について、初心者の方に向けて分かりやすく解説します。

目次

FTPはネットワーク上の荷物運び担当

FTP は、File Transfer Protocol の略称です。その名の通り、ネットワークに接続されたコンピューター間でファイルを転送するための約束事です。

身近な例でいうと、インターネット上にある自分専用のロッカーに荷物を入れたり、逆にロッカーから荷物を取り出したりするようなイメージです。

サーバーとクライアントをつなぐ架け橋

ファイルを送る側のコンピューター(クライアント)と、受け取る側のコンピューター(サーバー)が共通のルールで会話することで、写真や文書などのデータを正確にやり取りできます。

ウェブサイトの運営者が、自分の手元で作成した HTML ファイルや画像をレンタルサーバーにアップロードする際にも、この FTP がよく使われています。

誰でも使える anonymous FTP(匿名FTP)の存在

通常、FTP を利用するにはユーザー名とパスワードによる認証が必要ですが、誰でも自由にファイルをダウンロードできるように設定された anonymous FTP(アノニマスFTP)というものもあります。

これは、フリーソフトの配布や公開データの提供など、不特定多数の人にファイルを配る目的で利用される便利な仕組みです。

FTP通信のイメージ:クライアントからサーバーへファイルが運ばれる様子

試験に出る最重要数字:2つのポート番号

ITパスポート試験で FTP に関して最も狙われやすいのが、ポート番号です。驚くべきことに、FTP は用途に合わせて二つのポート番号を使い分けています。

21番で指示を出し、20番で実データを運ぶ役割分担

FTP の通信は、コントロール用とデータ転送用の二つの通り道に分かれています。

  • 21番(コントロール用): ログインの許可を得たり、ファイルを送る準備をしたりするための、いわば指示を出すための通り道です。
  • 20番(データ転送用): 実際のファイルの中身を流すための、重い荷物を運ぶための通り道です。

このように、命令を出す口と、実際に物を運ぶ手を分けることで、効率的で確実なやり取りを実現しています。この番号の組み合わせは試験対策としてセットで覚えておきましょう。

セキュリティの落とし穴と解決策

便利な FTP ですが、現代のインターネット社会では大きな弱点があります。それは、セキュリティの低さです。

パスワードも中身も丸見えという不安

標準的な FTP では、送るデータが暗号化されません。つまり、ユーザー名やパスワード、そしてファイルの内容が、ネットワーク上でそのままの形で流れてしまいます。

もし悪い人が通信を盗み見ていた場合、大切な情報が簡単に盗まれてしまうリスクがあるのです。

SSHやSSLで暗号化するSFTPとFTPS

このセキュリティ問題を解決するために登場したのが、通信を暗号化する仕組みです。

  • SFTP (SSH File Transfer Protocol): SSH という暗号化技術を利用して、安全にファイルを送る方法です。
  • FTPS (FTP over SSL/TLS): 第1回で紹介した SSL/TLS の技術を利用して、FTP 通信を丸ごと包み込んで守る方法です。

現在では、この SFTP や FTPS を使うことが一般的になっており、安全なネットワーク利用の必須条件といえます。

セキュリティ対策のイメージ:暗号化された安全な通り道(SFTP/FTPS)を通るファイル

過去問演習

理解度を深めるために、試験の過去問に挑戦してみましょう。

過去問1

ネットワーク上のコンピューター間でファイルを転送する際に利用されるプロトコルはどれか。
(平成30年度 秋 第90問 一部改変)

ア:DHCP
イ:DNS
ウ:FTP
エ:SMTP

解答:ウ

解説:ファイル転送のためのプロトコルは FTP です。アの DHCP は IP アドレスの自動割り当て、イの DNS は名前解決、エの SMTP はメール送信に使われます。

過去問2

2つのポート番号(20番、21番)を使用し、制御用のコネクションとデータ転送用のコネクションを使い分けるプロトコルはどれか。
(令和元年度 問88 一部改変)

ア:FTP
イ:HTTP
ウ:POP3
エ:TELNET

解答:ア

解説:指示用の21番とデータ転送用の20番を併用するのは FTP の特徴です。HTTP は80番、POP3 は110番を使用します。

まとめ

FTP について解説してきましたが、最後に重要なポイントを振り返りましょう。

  • FTP: ファイルをネットワーク越しに転送するためのルール。
  • ポート番号: 21番がコントロール(指示)、20番がデータ転送用。
  • セキュリティ: 標準の FTP は暗号化されないため、SFTP や FTPS などの安全な方式を選ぶ必要がある。
  • 種類: 誰でも使える匿名用の anonymous FTP も存在する。

目には見えないデータのやり取りですが、その裏側にはしっかりとしたルールと番号の割り当てが存在します。この仕組みを理解することで、ネットワークの基本に一歩近づけるはずです。

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