【ITパスポート】ITILとは?ITサービスマネジメントの重要用語を図解でわかりやすく解説

ITパスポート試験のマネジメント系分野で必ずと言っていいほど出題されるのがITILITサービスマネジメントに関する問題です。

「ITILって何の略?」
「インシデント管理と問題管理の違いが全然わからない……」

そんな風に悩んでいませんか?

ITシステムは、作って終わりではありません。作ったシステムを皆が快適に使えるように、日々守り、改善していく活動が必要不可欠です。これをITサービスマネジメントと呼び、その最も有名なお手本(ルールブック)がITILです。

この記事では、IT用語が苦手な学生の方でもイメージしやすいように、身近なレストランの運営や病院などに例えながらシンプルに解説します。

この記事を最後まで読めば、ITILの全体像から、試験で絶対に出る関連用語(SLA・サービスデスク・インシデント管理など)までバッチリ頭に入りますよ!一緒に頑張りましょう!

目次

ITIL(アイティル)とは?(初心者向け解説)

ITILとは、「Information Technology Infrastructure Library(インフォメーション・テクノロジー・インフラストラクチャ・ライブラリ)」の略称です。

一言でいうと、ITサービスを安全かつ快適に提供するための、世界中の成功事例(お手本)を集めた分厚いガイドブックです。

システムを運用していく中で、「パスワードを忘れた人がいたらどう対応する?」「サーバーが止まったら誰がどう動く?」といったトラブルや課題は世界中どこでも同じように発生します。
そこで、「過去の優秀な企業はこういう風に対処して上手くいったよ!」というベストプラクティス(最善の方法)をまとめたものがITILなのです。

ITパスポート試験では、ITIL = ITサービスマネジメントのベストプラクティス(成功事例)集 というキーワードの結びつきで出題されるため、必ずセットで覚えましょう!

ITパスポート試験で超頻出!5つの重要キーワード

ITILに書かれているITサービスマネジメントの考え方の中で、ITパスポート試験に本当によく出る5つのキーワードを解説します。

1. サービスデスク(ヘルプデスク)

サービスデスクとは、利用者(お客さんや社員)からの問い合わせを「すべて一つの窓口」で受け付ける場所(単一の窓口=SPOC)のことです。

例えば、会社のパソコンが壊れた、ネットに繋がらない、新しいソフトを入れたい……といったあらゆる困りごとを「とりあえずここへ連絡すればOK!」という総合案内所のような役割を果たします。

2. SLA(サービスレベル合意書)

SLAは「Service Level Agreement」の略で、サービスを提供する側とサービスを利用する側の間で結ぶ、サービスの品質に関するお約束(合意書)です。

例えば、あなたがスマートフォンの契約をしたとします。
「うちの電波は、1年のうち99.9%は圏外になりません!」「もし圏外になったら、○時間以内に復旧させます!」といった具体的な約束の基準値を決めるのがSLAです。
「なんとなく頑張ります」ではなく、数値で明確な基準を決めるのがポイントです。

※なお、このSLAで決めた目標を達成できるように、日々サービスの改善を繰り返していくマネジメント活動をSLM(Service Level Management)と呼びます。

3と4. 混同注意!「インシデント管理」と「問題管理」

ITパスポート試験で最も受験生が引っかかりやすいのが、このインシデント管理と問題管理の違いです。名前は似ていますが、目的が全く違います!

インシデント管理:とにかく応急処置!

インシデントとは、「システムがいつも通りに使えなくなるトラブル」のこと。
インシデント管理の目的は、「原因はどうでもいいから、とにかく一刻も早くシステムを使える状態(通常)に戻すこと」です。

【例】病院で出血している患者さんが運ばれてきた!
→ なぜ怪我をしたのか?を聞く前に、まずは止血する(応急処置)のがインシデント管理の考え方です。
ITで言えば、パソコンがフリーズした!という電話に対し、とりあえず再起動してみてくださいと案内して直すのがこれにあたります。

問題管理:根本原因の解決!

問題管理の目的は、トラブルの根本的な原因(真因)を突き止めて、二度と同じトラブルが起きないように解決することです。

【例】応急処置が終わった患者さんに対して……
→ 「なんで怪我をしたの?」「あそこの交差点で見通しが悪かったから」→「じゃあ、同じ事故が起きないように交差点にカーブミラーを設置しよう!」と根本的な解決を図るのが問題管理です。
ITで言えば、パソコンがフリーズした原因が「メモリ不足」だと特定し、メモリを増設する手配をすることにあたります。

  • インシデント管理 = スピード重視の応急処置
  • 問題管理 = 二度と起こさないための根本治療
    この違いをしっかりイメージしておきましょう!

5. PDCAサイクル(継続的改善)

ITサービスは、一度ルールを決めたら終わりではありません。「計画(Plan)→ 実行(Do)→ 評価(Check)→ 改善(Act)」の4つのサイクルを回し、常にサービスをより良くしていく(継続的改善)ことが重要とされています。

ITパスポートの過去問に挑戦!

それでは、実際のITパスポート試験でどのように出題されるか見てみましょう。

【問題1】(ITパスポート 令和5年 問47 より改変)
ITサービスマネジメントにおけるインシデント管理の目的として、最も適切なものはどれか。

ア. インシデントの根本原因を特定し、恒久的な解決策を策定する。
イ. サービスの提供に必要な機器やソフトウェアの構成情報を管理する。
ウ. 利用者が直面しているサービスの中断から、可能な限り迅速にサービスを復旧させる。
エ. 新しいシステムを本番環境へ安全に移行させる。

【解説1】
正解は です!
インシデント管理は「一刻も早くサービスを復旧させること(応急処置)」が目的でしたね。
ちなみに「ア」は問題管理、「イ」は構成管理、「エ」はリリース管理と呼ばれるものです。

【問題2】(ITパスポート 平成29年秋期 問55 より改変)
ITサービスマネジメントのベストプラクティスがまとめられたフレームワークはどれか。

ア. CMMI
イ. ISMS
ウ. ITIL
エ. SLA

【解説2】
正解は ウの「ITIL」 です!
「ITサービスマネジメントのベストプラクティス(成功事例)」というキーワードが出たら、脊髄反射でITILを選べるようにしておきましょう。
なお、エの「SLA」はサービスレベルのお約束(合意書)のことでしたね。

まとめ:ITILをマスターしてマネジメント系を攻略しよう!

今回解説した重要ポイントのおさらいです。

  • ITIL:ITサービスマネジメントの「成功事例(ベストプラクティス)」を集めたガイドブック。
  • サービスデスク:「なんでも相談窓口(単一の窓口)」。
  • SLA / SLM:サービスの品質条件を決める「お約束(合意書)」。
  • インシデント管理:スピード第一で早期復旧を目指す「応急処置」。
  • 問題管理:原因を特定して再発を防ぐ「根本治療」。

インシデント管理と問題管理の違いは、日常生活の病気やケガの治療に例えるとスッと納得できたのではないでしょうか?

ITIL関連の用語はほぼ毎回試験に出題される超重要エリアです。単なる丸暗記ではなく、それぞれの活動の目的をイメージできるようにしておくと、試験でも迷わず正解を選べますよ!
ITパスポート合格に向けて、この調子で知識を増やしていきましょう。応援しています!

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