今日は、ITパスポート試験シラバス6.3で追加になった「デジュレスタンダード」について、若手営業マンの視点から、ビジネスの現場でこの知識がどのように活用されるのか、具体的な事例を交えてお話しします。
デジュレスタンダードとは?
デジュレスタンダード(de jure standard)とは、公的機関や標準化団体によって正式に定められた標準規格のことを指します。
「デジュレ」はラテン語で「法律上の」という意味があり、法的な裏付けや公的な認証を受けた標準規格であることを示しています。
単語にわけて考えると覚えやすいかもしれません。
de(〜上の、〜に基づいた)、jure(法律)、standard(標準)。つなげるとde jure standard(法律に基づいた標準)の意味になります。
デジュレスタンダードの具体例
身近な例を挙げてみましょう。
- 乾電池のサイズ:単1、単2、単3などの規格
- クレジットカードのサイズ:世界中どこでも同じサイズ
- 文字コード:ASCIIやJIS X 0201など
これらは同じルールに従うことで互換性が保たれているため、異なるメーカーの製品を組み合わせて利用できるようになっています。
なぜ営業職の私たちがこの知識を必要とするのか?
「ITの専門家ではないのに、なぜこんな専門的な用語を覚える必要があるんだろう?」と思われるかもしれません。
しかし、デジュレスタンダードの概念を理解することは、ビジネスの様々な場面で役立つのです。
- 製品開発と販売戦略
自社製品がデジュレスタンダードに準拠していることは、大きな競争優位性となります。
例えば、USB規格に準拠した製品は、互換性が保証されているため、顧客に安心して提案できます。 - 国際取引の円滑化
国際規格(ISO規格など)に準拠した製品やサービスは、グローバル市場での受け入れがスムーズです。
これは海外展開を考える企業にとって重要なポイントとなります。自社独自規格の製品やサービスはグローバル市場で売上を伸ばすことは難しいでしょう。 - 法令遵守とリスク管理
多くの業界標準は法的要件と密接に関連しています。
例えば、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格であるISO 27001は、多くの国で法的要件の一部となっています。
自社のマネジメントシステムがデジュレスタンダードへ準拠していると示すことで、海外の取引先からも安心感を得ることができます。
デジュレスタンダードとデファクトスタンダードの違い
デジュレスタンダードを理解する上で、デファクトスタンダード(事実上の標準)との違いを知ることも重要です。
デファクトスタンダードは、市場での普及によって事実上の標準となったものを指します。
例えば、MicrosoftのWindowsOSやAdobeのPDFフォーマットなどがこれに該当します。
両者の違いを理解することで、製品やサービスの市場での位置づけをより正確に把握し、効果的な営業戦略を立てることができます。
まとめ
デジュレスタンダードの知識は、ITの専門家だけでなく、ビジネスパーソン全般にとって重要です。
特に営業職の方々にとっては、自社製品やサービスの強みを理解し、顧客に適切に説明するための前提となる知識です。
また、この知識は単にITパスポート試験に合格するためだけでなく、実際のビジネス現場で活用できる実践的なものです。
標準規格に関する理解を深めることで、製品開発、品質管理、セキュリティ対策、環境配慮など、様々な分野での競争力向上につながります。
ビジネスのグローバル化が進む中、国際標準への対応はますます重要になっています。
デジュレスタンダードの概念を理解し、活用することで、皆さんのビジネスキャリアにも大きなプラスとなるはずです。