ITパスポートの勉強をしていると、必ず登場する言葉のひとつが「アジャイル開発」です。
「アジャイルってどんな意味?」
「スクラムとかXPとか、横文字の手法がたくさんあって覚えらいない……」
そんな風に悩んでいませんか?
アジャイル(Agile)とは、英語で「素早い」「機敏な」という意味です。その名の通り、システムを素早く、柔軟に開発していくための現代的な考え方を指します。最近のIT業界では主流の開発スタイルとなっており、ITパスポート試験でも超頻出テーマです!
この記事では、IT用語が苦手な学生の方でもイメージしやすいように、具体的な例を交えながらシンプルに解説します。
この記事を読めば、アジャイル開発の基本からメリット・デメリット、試験でよく出る「スクラム」などの代表的な手法まで、スッキリ整理して覚えることができますよ。一緒に頑張りましょう!
アジャイル開発とは?(初心者向け解説)
アジャイル開発を一言でいうと、「計画は変わるもの」という前提に立ち、短い期間で少しずつシステムを作り上げていく手法です。
例えば、文化祭のクラスTシャツを作るとします。
最初に「こんなデザインにしよう!」と完璧に決めてから作り始めるのではなく、「まずはベースの色だけ決めて1枚作ってみよう。それを見てから、ロゴの位置や文字の大きさをみんなで相談して変えていこう」という進め方がアジャイル開発のイメージです。
途中で「やっぱりロゴは背中がいい!」という意見が出ても、柔軟に対応(仕様変更)できるのがアジャイルの最大の持ち味です。
従来の「ウォーターフォール開発」との違い
アジャイル開発をより深く理解するためには、昔からある「ウォーターフォール開発」との違いを知るのが一番の近道です。ITパスポート試験でも、この2つの対比はよく出題されます。

- ウォーターフォール開発
- 水が滝(ウォーターフォール)から落ちるように、要件定義からテストまでを一方向に順番に進めます。
- 特徴: 最初に計画をしっかり立てるため、途中での変更(後戻り)が非常に苦手です。大人数で作る大規模なシステムに向いています。
- アジャイル開発
- 1〜4週間程度の短い期間(イテレーションやスプリントと呼びます)で、「計画→設計→実装→テスト」の小さなサイクルを何度も繰り返します。
- 特徴: 動きを見ながら少しずつ作るので、途中での仕様変更に強いです。少人数チームでスピードが求められるサービスに向いています。
アジャイル開発のメリットとデメリット
柔軟で素早いアジャイル開発ですが、万能というわけではありません。メリットとデメリットの両方を理解しておきましょう。
メリット:柔軟で素早い対応が可能
- 仕様変更に強い:短い期間で区切って開発するため、途中で「やっぱりこの機能を追加したい!」というお客さんの要望(仕様変更)に柔軟に応えることができます。
- 早く動くものが見られる:早い段階で実際に動くシステム(のいち部分)を見せることができるため、お客さんとイメージのズレが起きにくくなります。
- チームの協力が強まる:開発者とお客さん(関係者)が密にコミュニケーションを取りながら進めるため、チームの一体感が生まれやすいです。
デメリット:全体像の把握やスケジュール管理が難しい
- スケジュールがブレやすい:変更を積極的に受け入れるため、「いつまでに、どこまで完成するのか」という全体のスケジュール管理や予算の見積もりが難しくなります。
- 方向性がブレるリスク:変更を重ねるうちに、当初の目的から逸脱して「結局何が作りたかったんだっけ?」という状態(いわゆる「ツギハギ」のシステム)になってしまう危険性があります。
【ITパスポート試験対策】代表的な3つの手法
アジャイル開発はあくまで「考え方」の総称であり、具体的なやり方(手法)にはいくつか種類があります。
試験では以下の3つの手法がよく問われるので、それぞれの特徴のキーワードを押さえておきましょう!

1. スクラム(Scrum)
チームのコミュニケーションや役割分担に重きを置いた手法です。ラグビーの「スクラム」が語源で、チームが一丸となって開発を進めます。
- スプリント:1〜4週間程度の短い開発期間のこと。
- スクラムマスター:チームが円滑に開発できるようにサポート・進行する調整役。
- プロダクトオーナー:製品の責任者で、機能の優先順位を決める人。
- デイリースクラム:毎日行う短いミーティング。進捗や問題点を共有します。
2. XP(エクストリーム・プログラミング)
プログラマー(技術者)の作業効率やソフトウェアの品質向上に重きを置いた手法です。
- ペアプログラミング:2人1組で、1人がコードを書き、もう1人がそれをチェックしながら開発する仕組み。
- テスト駆動開発(TDD):プログラムを書く前に、まずテスト(確認項目)を作成し、そのテストをクリアするようにプログラムを書いていく手法。
3. カンバン方式
製造業のトヨタの生産方式から取り入れられた考え方で、タスク(作業)を可視化することに重きを置いた手法です。
- タスクを書いたカード(カンバン)を「未着手」「作業中」「完了」といったボードに貼り出し、誰が今何をやっているのかをひと目で分かるようにします。
ITパスポートの過去問に挑戦!
それでは、実際にITパスポート試験でどのように出題されるか確認してみましょう。
【問題】(ITパスポート 平成26年秋期 問49 より改変)
ソフトウェア開発手法の一つであるアジャイル開発の特徴として、適切なものはどれか。
ア. 開発の初期段階でシステムの全体像や詳細な仕様を完全に決定し、計画通りに開発を進めることを重視する。
イ. ドキュメントの作成よりも、実際に動くソフトウェアを早期に継続して提供することを重視する。
ウ. システム開発のプロセスを「要件定義」「設計」「プログラミング」「テスト」に明確に分割し、順番に実行する。
エ. 品質を保証するために、各開発工程の完了時に第三者による厳密な監査を行うことを必須とする。
【解説】
正解は イ です!
アジャイル開発は、変化に柔軟に対応し、短いサイクルで「動くソフトウェア」を早期に提供することを重視します。ドキュメント作りよりも、実際に動くものをお客さんに見せてフィードバックをもらうことを優先します。
ちなみに、「ア」と「ウ」はウォーターフォール開発の特徴です。
まとめ:アジャイル開発をマスターして合格に近づこう!
今回解説したアジャイル開発の重要ポイントをまとめます。
- 素早く柔軟に!:短い期間で開発サイクルを繰り返し、途中の仕様変更にも強い現代的な手法。
- メリット・デメリット:早く動くものが見られお客さんの要望に応えやすい一方、全体のスケジュールや予算管理が難しい側面がある。
- 代表的な3つの手法:チームワーク重視の「スクラム」、プログラミングの質重視の「XP」、タスク見える化の「カンバン」。
スマートフォンアプリのように、「とりあえずリリースして、利用者の声を聞きながらどんどんアップデートしていく」ようなサービスは、まさにアジャイル開発の考え方で作られています。
身近なアプリのアップデートを想像しながら覚えると、試験でも思い出しやすくなりますよ!
アジャイル開発はITパスポートの必須知識なので、ウォーターフォール開発との違いとセットでしっかり整理しておきましょう。応援しています!
