【ITパスポート】インシデント管理とは?問題管理との違いを図解でわかりやすく解説

ITパスポート試験のマネジメント系(IT管理)分野で、受験生が最も混乱しやすい専門用語があります。
それが「インシデント管理」と「問題管理」です。

「インシデントって単なるトラブルのこと?」
「問題管理と何が違うの?」

そんな風にモヤモヤしていませんか?

実はこの2つ、ITシステムを安全に運用するための世界共通ルール(ITIL)の中で、別々の目的を持った全く違う役割として明確に定義されています。

この記事では、IT用語が苦手な初学者の方でも直感的に理解できるように、「病気やケガの治療」や「雨漏り」など、日常生活の身近な例に置き換えてシンプルに解説します。

この記事を読めば、試験で引っかけ問題として頻出する両者の違いから、関連用語の「ワークアラウンド」までバッチリ頭に入りますよ!一緒にマスターしましょう!

目次

インシデント管理とは?(初心者向け解説)

まず、ITでいうインシデント(Incident)とは、「システムが正常に使えない状態・トラブル」のことを指します。
たとえば、「パソコンが起動しない」「インターネットに繋がらない」「プリンターで印刷できない」といった利用者の困りごとはすべてインシデントです。

そして、インシデント管理を一言でいうと、「原因はどうでもいいから、とにかく一刻も早くシステムを使える状態(通常)に戻すこと」を目的とした活動です。

最優先事項は「スピード対応(応急処置)」

インシデント管理では、「どうしてこんなトラブルが起きたのか?」という原因究明は一旦後回しにします。
利用者が仕事できなくて困っているのだから、まずは「スピード第一で応急処置をして、業務を再開させること」が最優先のミッションになります。

【例:雨漏りが発生した!】
部屋で雨漏りが発生したとき、「なぜ屋根に穴が空いたんだろう?」と首を傾げる前に、「まずは床が濡れないようにバケツを置く!雑巾で拭く!」のがインシデント管理の考え方です。
ITで言えば、「パソコンがフリーズした!」と連絡が来たときに、「とりあえずパソコンを再起動してみてください」と即座に案内して直すことがこれにあたります。

試験でよく出る重要キーワード「ワークアラウンド」

インシデント管理に関連して、ITパスポート試験でよく出題される横文字があります。それが「ワークアラウンド(Workaround)」です。

ワークアラウンドとは、日本語で「回避策・応急処置」を意味します。根本的な解決にはなっていなくても、一時的にトラブルを回避してシステムを使えるようにする代替手段のことです。

先ほどの雨漏りの例でいう「バケツを置くこと」や、パソコンのトラブルにおける「とりあえず再起動する」「別のブラウザを使ってログインしてみる」といった行動がワークアラウンドにあたります。

超頻出!「問題管理」との違いを徹底比較

インシデント管理(応急処置)が終わったら、それで本当に仕事はおしまいでしょうか?
バケツを置いただけでは、次にまた雨が降ったときに雨漏りしてしまいますよね。

そこで次に登場するのが「問題管理」です。
インシデント管理と問題管理の違いは、ITパスポート試験で最もよく狙われる最大のポイントです!

問題管理とは「根本治療(再発防止)」のこと

問題管理の目的は、「トラブル(インシデント)の根本的な原因(真因)を突き止めて、二度と同じトラブルが起きないように解決策を実施すること」です。

先ほどの雨漏りの例で言えば、「大工さんを呼んで、屋根に空いた穴を完全に塞ぎ、修理(恒久対応)すること」が問題管理にあたります。
ITで言えば、パソコンが頻繁にフリーズする原因が「メモリの容量不足」だと特定し、大元のメモリ自体を新しいものに増設して根本解決を図る活動です。

比較表でスッキリ整理!

それぞれの違いを比較表にまとめました。試験中に迷ったら、このイメージを思い出してください。

項目インシデント管理問題管理
目的業務への影響を最小限に抑え、迅速にサービスを復旧させるトラブルの根本原因を特定し、再発を防止する
スタンスとにかくスピード第一。原因は後回し。時間をかけても確実に解決する。
活動内容応急処置(ワークアラウンド)の実施原因分析、根本解決(恒久対策)の実施
身近な例え出血に対する「止血」
雨漏りに対する「バケツ」
ケガの原因となった「交差点の改善」
雨漏りの原因となった「屋根の修理」
  • インシデント管理 = スピード重視の「火消し・応急処置」
  • 問題管理 = 原因究明と再発防止の「根本治療」
    この2つは全く違う活動でありながら、セットで順番に行うことでシステムの平和が守られているのです。

ITパスポートの過去問に挑戦!

それでは、実際にITパスポート試験でどのように出題されるか確認してみましょう。

【問題1】(ITパスポート 平成28年秋期 問48 より改変)
ITサービス管理におけるインシデント管理の目的として、適切なものはどれか。

ア. インシデントの根本原因を究明し、恒久的な解決策を提示する。
イ. インシデントによる事業の中断を最小限に抑え、可能な限り迅速に通常のサービスレベルに復旧させる。
ウ. ITサービスの変更を記録し、意図しない影響が出ないようコントロールする。
エ. 利用者からのすべての問い合わせを受け付ける単一の窓口を提供する。

【解説1】
正解は です!
インシデント管理のキーワードは「迅速な復旧(応急処置)」です。

他の選択肢も重要なので一緒に覚えましょう!

  • ア:問題管理(原因究明と恒久対策)
  • ウ:変更管理
  • エ:サービスデスク

【問題2】(ITパスポート 平成31年春期 問38 より改変)
あるシステムで障害が発生したが、原因不明のためシステムの再起動を行ったところ、ひとまず正常に稼働した。このように、恒久的な解決ではないが、インシデントによる影響を一時的に回避し、サービスを復旧させるための応急処置を何と呼ぶか。

ア. インデント
イ. ワークアラウンド
ウ. エスカレーション
エ. ファイアウォール

【解説2】
正解は イの「ワークアラウンド」 です!
再起動などの一時的な回避策や応急処置のことをワークアラウンドと呼びます。

まとめ:違いを「目的」で理解しよう!

今回解説した重要ポイントのおさらいです。

  • インシデント:システムが正常に使えないトラブルのこと。
  • インシデント管理:原因特定よりもスピード第一!とにかく早く直して復旧させる「応急処置」。
  • ワークアラウンド:応急処置や一時的な回避策のこと。
  • 問題管理:じっくり原因を特定して再発を防ぐ「根本治療」。

インシデント管理(バケツ)→問題管理(屋根の修理)の順番と、それぞれの「目的」をセットでイメージできれば、試験問題でスッと正解を選べるようになります。

ITパスポート試験のマネジメント分野では必須の知識ですので、しっかり整理しておきましょう!応援しています!

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