ITパスポートを勉強していると、RFPというアルファベット3文字が出てきます。「何の略?何のために使うの?」とピンとこない方も多いのではないでしょうか。
RFPは企業がシステムを新しく導入・開発する際に欠かせない文書で、実務でも頻繁に登場する重要な概念です。この記事では、RFPの意味と目的、記載内容、似た用語であるRFIとの違いを、身近な例を使ってわかりやすく解説します。
RFPとは?一言でいうとベンダーへの提案依頼書
RFP(Request for Proposal)とは、企業がシステム開発や業務委託を外部のIT会社(ベンダー)に依頼する際に、要件や条件を明示した上で具体的な提案を求める文書のことです。日本語では提案依頼書と呼びます。
リフォーム工事に例えてみましょう。
家のリフォームをしたいとき、工務店に「お風呂を新しくしたい。予算は100万円以内で、工期は来月中に完了してほしい」と具体的な条件を伝えてから複数の会社に見積もりと提案を依頼しますよね。このとき渡すのがRFPのイメージです。
RFPを作成する目的
なぜRFPが必要なのでしょうか。主な目的は3つあります。
目的1:要件の明確化
RFPを作成する過程で、発注側の会社は自分たちが何を実現したいのかを整理できます。曖昧なまま進めると後から仕様変更が多発し、コストと時間が大幅に膨らむリスクがあります。
目的2:複数ベンダーの公平な比較
同じ条件をすべてのベンダーに提示することで、提案内容・費用・期間などを同じ基準で比較できるようになります。
目的3:認識齟齬の防止
発注側とベンダー側の間で「言った・言わない」のトラブルを防ぎ、双方の認識をそろえる役割を果たします。
RFPの主な記載内容
RFPには通常、以下のような内容が記載されます。
| 項目 | 内容の例 |
|---|---|
| 導入の背景・目的 | 現状の課題と、システム導入で達成したい目標 |
| システムの要件 | 必要な機能・性能・セキュリティ要件 |
| 納期・スケジュール | プロジェクトの完了期限と主要なマイルストーン |
| 予算の目安 | 発注見込み金額の概算 |
| 選定基準 | 提案を評価する際の判断軸(価格・技術力・実績など) |
| 提案の提出期限 | ベンダーが提案書を提出する締め切り |
RFPの内容が具体的であればあるほど、ベンダーから質の高い提案を受け取れます。
RFIとの違いを押さえよう
試験でセットで問われるのがRFI(Request for Information)です。
RFI(情報提供依頼書)とは、ベンダーの会社情報や技術情報、製品・サービスの概要などを広く収集するための文書です。RFPより前の段階で使われます。
| 比較項目 | RFI | RFP |
|---|---|---|
| 目的 | 情報収集・候補ベンダーの絞り込み | 具体的な提案の依頼 |
| 段階 | 検討初期 | 要件整理後 |
| 内容の具体性 | 幅広い・概括的 | 具体的・詳細 |
| 求めるもの | 企業情報・製品情報 | 提案書・見積書 |
リフォームの例で言えば、RFIは「お風呂のリフォームをしたいのですが、どんな種類のサービスがありますか?どんな会社があますか?」と広く情報を聞く段階です。RFPはその後に「〇〇の条件で提案してほしい」と具体的に依頼する段階です。
システム調達全体のフロー
RFPとRFIは、システム調達の一連のプロセスの中に位置づけられます。

一般的な流れは次の通りです。
- RFI(情報提供依頼):市場調査を行い、候補ベンダーを把握する
- RFP(提案依頼):絞り込んだベンダーに具体的な提案を依頼する
- 提案書の受領・評価:届いた提案を選定基準をもとに比較検討する
- ベンダー選定・契約:最も適したベンダーを選んで契約する
この流れを覚えておくと、試験で問われたときにRFIとRFPの順序を間違えずに答えられます。
ITパスポート試験でのRFP出題傾向と対策
RFPはストラテジ系のシステム戦略分野で出題されます。
試験でおさえるべきキーワード
- RFP(提案依頼書):要件を明示した上でベンダーに提案を依頼する文書。
- RFI(情報提供依頼書):ベンダーから広く情報を収集するための文書。RFPより前の段階。
- ベンダー:ITシステムの開発・販売・導入を行うIT企業のこと。
- システム調達:企業が外部からシステムやサービスを入手するプロセス全体。
過去問に挑戦!
【問題】
企業がシステム開発を外部のベンダーに委託する際に、開発の目的・要件・予算・スケジュールなどを明示し、複数のベンダーに具体的な提案を求める文書はどれか。ア.RFI(情報提供依頼書)
イ.RFP(提案依頼書)
ウ.SLA(サービスレベル合意書)
エ.NDA(秘密保持契約)【正解】:イ
【解説】:要件や条件を明示した上でベンダーに具体的な提案を求める文書はRFP(提案依頼書)です。RFIは情報収集の段階で使う文書、SLAはサービス品質の合意書、NDAは秘密保持に関する契約書です。【問題】
RFPを送付する前段階として、市場調査や候補ベンダーの把握を目的に広く情報を求める文書はどれか。ア.RFP(提案依頼書)
イ.RFI(情報提供依頼書)
ウ.SOW(作業範囲記述書)
エ.SLA(サービスレベル合意書)【正解】:イ
【解説】:RFP送付前に市場調査・候補ベンダー把握のために広く情報を集める文書はRFI(情報提供依頼書)です。一般的にRFI→RFP→提案評価→契約という順序で調達プロセスが進みます。
まとめ:RFPはベンダー選定の羅針盤
今回はRFP(提案依頼書)について解説しました。ポイントをもう一度確認しましょう。
- RFPとはシステム開発などをベンダーに委託する際に要件・条件を明示して提案を求める文書
- RFPを作成する目的は要件の明確化・ベンダーの公平な比較・認識齟齬の防止
- RFIはRFPより前の段階で広く情報を収集するための文書
- システム調達のフローはRFI→RFP→提案評価→ベンダー選定・契約の順番
- 試験ではRFPとRFIの役割の違いと順序が頻出
発注者が求めるものをベンダーに正確に伝えて最良の提案を引き出す、それがRFPの役割です。実務のシーンをイメージしながら覚えると、試験でも自信を持って解答できます!
