スクラムとは?アジャイル開発の代表的なフレームワークをわかりやすく解説

ITパスポート試験でアジャイル開発と並んでよく耳にするのがスクラムです。ラグビーのスクラムのように、チーム全員が一丸となってゴールを目指す手法として名付けられました。

IT用語は横文字が多くて身構えてしまいますが、スクラムの仕組みはとてもシンプルです。短い期間で集中して作業を行い、こまめに成果を確認しながら改善を繰り返していきます。

この記事では、ITの背景知識がなくてもスクラムの役割やイベントの流れがイメージできるように、具体例を交えて解説します。読み終わる頃には、試験に出る重要な単語が自然と頭に入っているはずです。合格に向けた大きな一歩を、一緒に踏み出していきましょう。

目次

スクラムを一言でいうと?

スクラムを簡単に表現すると、少人数のチームが密に協力し合い、短いサイクルでソフトウェアを完成させていくための枠組みです。

変化の激しい今のビジネスでは、最初に完璧な計画を立てても、完成する頃には状況が変わっていることが少なくありません。スクラムはこうした不透明な状況に対応するために生まれました。

特徴的なのは、スプリントと呼ばれる1週間から1ヶ月程度の短い期間を区切り、その中で一通りの開発作業を完結させる点です。このスプリントを何度も繰り返すことで、徐々に製品を形にしていきます。

スクラムの3つの重要な役割

スクラムでは、チームメンバーがそれぞれ異なる責任を持っています。試験でもこれらの名称と役割がよく問われるので、しっかり押さえておきましょう。

プロダクトオーナー

プロダクトの価値を最大化することに責任を持つリーダーです。何を作るべきか。どの機能から手をつけるべきか。こうした優先順位を判断し、製品の方向性を決定します。

顧客のニーズを代弁する立場であり、開発チームに対して次に何が必要かを明確に伝える役割を担います。

スクラムマスター

スクラムのルールが正しく守られ、チームが円滑に動けるようにサポートする支援者です。プロダクトオーナーのように直接的な指示を出すのではなく、チームの障害を取り除いたり、スクラムの考え方を教えたりする調整役に徹します。

チームが自律的に動けるように環境を整える、いわばコーチのような存在と言えるでしょう。

開発者

実際にソフトウェアを設計し、ソースコードを書いて動く状態にする専門家たちです。スクラムチームにおいて実務を行う中心メンバーであり、どうすれば技術的に最高の品質を保てるかを考え抜き、主体的に行動することが求められます。

開発のサイクル(イベント)の流れ

スクラムでは、決められた手順に沿って開発が進みます。この流れを理解しておくと、試験の問題文を読んだときにイメージが湧きやすくなります。

スプリント

スクラムの心臓部とも言える期間です。1週間から1ヶ月の固定された期間であり、この間は決まった目標に向かって集中して開発を行います。スプリントが終わると、すぐに次のスプリントが始まります。

デイリースクラム

毎日決まった時間に行われる短い会議です。15分程度で終わらせるのが一般的で、メンバー同士で進捗状況や困っていることを共有します。

昨日は何をしたか。今日は何をするか。困っていることはないか。これらを素早く確認することで、問題の早期発見につなげます。

スプリントレビューとレトロスペクティブ

スプリントの終わりには、2つの重要な振り返りを行います。

まずスプリントレビューでは、完成した製品をプロダクトオーナーや関係者に見せて、フィードバックをもらいます。

その次に行うのがレトロスペクティブ(ふりかえり)です。こちらは製品そのものではなく、チームの進め方やコミュニケーションについて改善点を話し合います。次はもっとこうすれば効率が上がるねといった前向きな対話を行い、チームの成長を目指します。

スクラムのメリットを具体例で解説

スクラムの進め方は、文化祭の準備によく似ています。

たとえば、クラスで模擬店を出そうとしたとき、1ヶ月間一度も話し合わずに当日を迎え、いきなり看板を書き始めることはありませんよね。

まずは何を作るか相談し(プロダクトバックログの作成)、今週はここまで終わらせようと目標を立て(スプリント)、毎日朝に進行状況を確認する(デイリースクラム)。そして週末には出来栄えを確認して、来週の進め方を改善する。

このように、小さな目標をこまめに達成しながら進むことで、大きなミスを防ぎ、全員が納得できる結果にたどり着くことができます。

ITパスポート試験の出題ポイント

試験でスクラムの問題が出た際に意識すべきキーワードは以下の通りです。

  1. アジャイル開発手法のひとつ: スクラムはアジャイルの枠組みに含まれます。
  2. 役割の名前と内容: プロダクトオーナー(責任者)、スクラムマスター(支援者)、開発者(実務者)の組み合わせ。
  3. スプリント: 短い期間の繰り返し。
  4. プロダクトバックログ: やるべきことを優先順位順に並べたリスト。

問題文にこれらの言葉が出てきたら、スクラムのことを指している可能性が高いです。それぞれの言葉が何のためにあるのか、目的をセットで覚えておきましょう。

過去問に挑戦!

実際の過去問を解いて、知識を定着させましょう。

過去問 1(令和元年度 秋期 問40)

【問題】
アジャイル開発の方法論であるスクラムに関する記述として、適切なものはどれか。

ア. 開発する製品に必要な全ての要件を優先度順に並べたリストを基に、短期間の開発サイクルを繰り返しながら進める。
イ. 開発者が一組のペアとなり、1台のコンピュータを使い、2人で共同してプログラムを開発する。
ウ. 最初にすべての設計を完璧に固め、各工程を順番に進めていく手法である。
エ. ソフトウェアの動作を変えずに、内部のソースコードを読みやすく整理すること。

【解説】

  • 正解はアです。
  • 優先度順のリスト(プロダクトバックログ)と短期間の開発サイクルの繰り返しという表現が、スクラムの特徴を正しく説明しています。
  • イはペアプログラミング、ウはウォーターフォール開発、エはリファクタリングの説明です。

最後のアドバイス

本記事ではスクラムについて解説しました。ポイントをもう一度まとめます。

  • スクラムは、チームの協力を重視するアジャイル開発の手法。
  • 3つの役割(プロダクトオーナー、スクラムマスター、開発者)から成る。
  • 短いスプリントの繰り返しで製品を成長させる。

ITパスポートの試験では、単に用語を暗記するだけでなく、それが現場でどう活用されているのかを想像することが大切です。スクラムは現代のビジネスで欠かせない知識。この記事を通じて得た理解は、試験だけでなく将来の仕事でもきっと役に立ちます。自信を持って学習を進めていきましょう。

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