SLA(サービスレベル合意書)とは?ITパスポート向けにわかりやすく解説!

ITパスポートにおける頻出用語であるSLA。英字3文字の略語で、なんだか難しそうだと感じている方も多いのではないでしょうか。IT用語はアルファベットの羅列が多く、丸暗記しようとすると苦労してしまいますよね。

でも安心してください!SLAの考え方は、私たちの日常生活のサービスにも当てはまる身近なものです。この記事では、IT領域に詳しくない方でも腹落ちして理解できるように、具体的な例を使いながらSLAを分かりやすく解説していきます。

試験で得点をつかむためのポイントや、よく混同しやすいSLMとの違いもしっかり押さえていきますので、一緒に頑張りましょう!

目次

SLAとは?一言でいうとどういう意味?

SLAとは、Service Level Agreement(サービスレベル アグリーメント)の頭文字をとった言葉で、日本語ではサービスレベル合意書と呼ばれます。

一言でいうと、サービスを提供する側と利用する側でお互いに約束した、サービス品質の保証書のようなものです。

システムやITサービスは、目に見えないものです。システムがいつでも快適に動くと口頭で言われても、利用する側は具体的にいつなのか、快適とはどのくらいの速さなのかと不安になってしまいますよね。

そこで、お互いの認識にズレが生じないように、提供するITサービスの品質レベルという基準を数値などで明確にし、文書として合意する仕組みがSLAなのです。

なぜSLAが必要なのか?

SLAを結ぶことには、利用者と提供者の双方にとって大きなメリットがあります。

  • 利用者側のメリット
    • 事前にサービスの品質(どれくらい安定しているか、トラブル時の対応など)が明確になっているため、安心して利用できる。
    • 複数の会社のサービスを比較する際、品質の基準として参考にできる。
  • 提供者側のメリット
    • 自社のサービス品質の良さを、客観的な数値でアピールできる。
    • 利用者からシステムが1秒でも止まったら困るといった無理な要求をされた際に、契約時のSLAでは稼働率99%までの保証となっている旨を説明し、冷静な対応をとることでトラブルを未然に防げる。

身近な例でわかるSLAの具体例

ITサービスの合意書、と言われるとイメージしにくいかもしれませんが、日常生活でも似たような考え方があります。

たとえば、宅配便のお急ぎ便を想像してみてください。

私たちが宅配便を利用するとき、明日の午前中までに必ず届けるという約束(サービスレベル)に対して、少し多めの料金を支払ったりしますよね。もしこれが明日の夜になってしまったら、約束したレベルを満たせていないことになります。

また、電車の遅延をイメージしても良いかもしれません。特定の鉄道会社が、平日の通勤時間帯における遅延の発生率を月間〇%未満に抑え、達成できない場合は運賃の一部を還元すると宣言したとすれば、それはまさにそのサービスのSLAと言えます。

このように、お金を払って受けるサービスに対して、品質と保証のラインをはっきり引いておくことがSLAの基本的な考え方です。

実際にSLAにはどんな項目が書かれるの?

ITサービスにおける実際のSLAでは、以下のような項目について目標値が具体的に設定されます。すべて覚える必要はありませんが、イメージとして掴んでおきましょう。

  • システムの可用性・稼働率
    • 1ヶ月のうち、システムが正常に動いている時間は99.9%以上を保証するといった記載です。
  • 処理性能やレスポンス時間
    • 検索ボタンを押してから、3秒以内に結果の画面を表示するというような速度の決まりです。
  • 障害発生時の対応(MTBFやMTTR)
    • システムが故障するまでの平均間隔(MTBF)や、故障してから修理完了するまでの平均時間(MTTR)に関する目標です。
  • サポート窓口の対応時間
    • 平日の9時から18時まで、電話による問い合わせを受け付けるというような営業時間と対応範囲です。

万が一、提供者がこのSLAで定めた品質を満たせなかった場合は、利用料金の減額や返金といったペナルティ(補償)のルールが盛り込まれることもあります。

SLAとSLMの違いは?

ITパスポートの試験で、SLAと一緒に頻繁に出題されるのがSLMです。この2つは名前が似ているので、それぞれの役割をしっかり区別しておくことが点数アップの近道です。

  • SLA(Service Level Agreement):合意書・ルールそのもの
  • SLM(Service Level Management):約束を守るための管理活動

SLAはあくまで、特定のレベルのサービスを提供すると約束した書面です。しかし、人間も同じで、目標を立てただけで放置していては達成できません。

そこで必要になるのがSLM(サービスレベル管理)です。

SLMは、合意したSLAの目標を達成できているかを常に監視し、問題があれば改善していく一連の活動(PDCAサイクル)のことを指します。今月はシステムの稼働目標ギリギリだったため、来月はもっとサーバーを補強しようと日々運用していくのがSLMの役割です。

用語フルスペル意味・役割
SLAService Level Agreementサービス提供者と利用者で結ぶ、品質水準の合意文書
SLMService Level ManagementSLAで定めた水準を維持・向上させるための継続的な管理活動

ITパスポート試験ではこう出る!SLAの出題ポイント

ITパスポート試験において、SLAは非常によく狙われるテーマです。以下のキーワードの結びつきを頭に入れておくと、選択肢を見た瞬間に正答を選べるようになります。

  1. サービス提供者と利用者との間で合意というキーワードがあれば、高い確率でSLAが正解です。文書や契約といった意味合いが含まれます。
  2. 定量的な目標という言葉もSLAの特徴です。抽象的な言葉ではなく、数値で合意するという点が試験で問われます。
  3. 合意した水準を維持・改善・管理するという文脈であれば、SLMが正解になります。

SLAに関するITパスポート過去問例

それでは、実際の過去問に挑戦して、理解度をチェックしてみましょう。

【問題】
ITサービスマネジメントにおけるSLA(Service Level Agreement)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア. 顧客とサービス提供者との間で、提供するITサービスの内容と品質の目標値について合意した文書
イ. 自社のITサービスの提供状況を監視、評価し、継続的にサービス品質を改善していくための活動
ウ. 情報システム部門と利用部門の間で締結する、システム開発に関する業務委託契約書
エ. ソフトウェアの利用条件や複製、改変の可否について定めた契約

【解説】

  • 正解はアです。
  • ア:SLAの説明そのものです。顧客と提供者の間でサービス品質の目標値を合意した文書です。
  • イ:監視・評価・改善を行う活動は「SLM(サービスレベル管理)」の説明です。
  • ウ:「システム開発に関する業務委託契約書」はSLAに限定されるものではありません。SLAはあくまで稼働後の日々の運用やサービス提供に関する品質水準の合意です。
  • エ:ソフトウェアの利用条件などを定めたものは「ソフトウェアライセンス契約」などの説明です。

まとめ

本記事では、ITパスポート試験の必須用語であるSLAについて解説しました。おさらいとしてポイントをまとめます。

  • SLA(サービスレベル合意書)は、ITサービスの品質に関して提供者と利用者が結ぶ、約束の文書である。
  • 稼働率や障害対応時間など、客観的に評価できるように具体的な数値目標を設定する。
  • SLAで合意した約束を守るために、日々管理・改善していく活動のことはSLMと呼ぶ。

SLAは私たちの身の回りにあるサービス契約に近い考え方なので、難しく捉える必要はありません。用語の違いをしっかり区別できれば、試験本番で貴重な1点を確実に取れるはずです。この調子で学習を続けていきましょう!

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