【ITパスポート】OEM(相手先ブランドによる生産)とは?身近な例でわかりやすく解説

私たちが普段コンビニで買うお菓子や、街中を走る自動車。実は、名前(ブランド)は有名なA社でも、実際に作っているのは別のB社というケースがよくあります。

ITパスポート試験でも、ビジネス戦略の一つとして頻出の用語がOEMです。今回は、OEMの仕組みから、なぜ企業がこの方法を選ぶのかというメリットまで、初心者の方向けにスッキリ解説します。

目次

OEMとは?他社のブランド名で製品を作ること

OEMは Original Equipment Manufacturing の略で、日本語では相手先ブランドによる生産と訳されます。

簡単に言うと、製品を依頼する側のブランド名をつけて、別の会社がその製品を製造することです。

一番身近な例は、コンビニのプライベートブランドです。パッケージにはコンビニの名前が大きく書かれていますが、裏面をよく見ると、製造元は有名なお菓子メーカーや飲料メーカーになっていることがあります。これがまさにOEMです。

OEMの仕組み:ブランドと製造の役割分担

OEMでは、依頼する側と作る側で役割がはっきりと分かれています。

![OEMの製造と販売の流れ](https://itpnavi.com/wp-content/uploads/2026/03/oem-illustration-1.png)

依頼する側(ブランドオーナー)

製品の企画やデザインを行い、製造会社に発注します。完成した製品を自社ブランドとして販売します。

作る側(製造会社)

依頼された仕様に基づいて製品を作ります。完成品は自社の名前ではなく、依頼した会社の名前で出荷されます。

なぜOEMをするのか?双方のメリット

企業がOEMという形をとるのには、お互いにとって大きなメリットがあるからです。

依頼する側のメリット

  • 工場を持たなくていい: 自社で大きな工場を建てる必要がないため、初期費用を抑えて新しい商品を出すことができます。
  • 得意なことに集中できる: 製造はプロに任せ、自分たちはマーケティングや販売戦略に専念できます。

作る側のメリット

  • 工場の稼働率が上がる: 自社の商品が売れていない時期でも、他社からの依頼を受けることで工場を常に動かし、利益を出すことができます。
  • 販売力がなくてもいい: 自分で売る場所(お店)を持っていなくても、有名なブランドの力を借りて自社の技術を世に出せます。

日本の自動車業界で見られるOEM

自動車業界でもOEMは盛んです。特に軽自動車の分野では、A社の車とB社の車が実は中身は全く同じで、エンブレムだけが違うということがよくあります。

これは、自社で開発するコストを抑えつつ、フルラインナップ(あらゆる車種)を揃えたいメーカーの戦略によるものです。

ITパスポート試験での出題ポイント

試験では、OEMの意味やメリットを問う問題が出題されます。

  • 相手先ブランド: 他社の名前で売るものを作る、という定義。
  • 製造能力の活用: 自社の余っている製造ラインを活用できる、というメリット。
  • コスト抑制: 依頼側が設備投資を抑えられる、というメリット。

過去問演習

実際の試験問題で、どのように問われるか確認しましょう。

過去問1

相手先のブランド名で製品を製造し、供給する形態はどれか。
(平成28年度 春 問14 一部改変)

ア:BPO
イ:M&A
ウ:OEM
エ:SLA

解答:ウ

解説:相手先ブランドでの製造なので、ウのOEMが正解です。

過去問2

OEMにおける、製造を依頼する側のメリットとして、適切なものはどれか。
(令和元年 問12 一部改変)

ア:自社で製造設備を持つ必要がなく、投資リスクを抑えて新製品を市場に投入できる。
イ:自社の製造技術を他社に提供することで、技術流出を完全に防ぐことができる。
ウ:他社のブランド力を活用して、自社名での製品販売を強化できる。
エ:自社の工場の稼働率を最大化し、製造コストを削減できる。

解答:ア

解説:依頼側の最大のメリットは、設備投資を抑えてスピーディーに展開できることです。よってアが正解です。エは製造側のメリットです。

まとめ

OEMは、ブランド力を持つ会社と、作る技術を持つ会社が、お互いの得意なことを活かし合う合理的な戦略です。

  • OEM = 相手先の名前で製品を作ること
  • 依頼側 = 工場なしで早く安く商品を揃えられる
  • 製造側 = 工場の空きを埋めて安定して稼げる

普段の買い物でも、製造元をチェックしてみるとOEMの面白さがもっと身近に感じられるはずです。

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