クリティカルパスとは?計算方法・余裕時間を図で解説|ITパスポート

クリティカルパスの最長経路、別経路、余裕時間を示すアローダイアグラム

クリティカルパスは、プロジェクトの開始から完了までにかかる日数を決める最長の作業経路です。クリティカルパス上の作業が遅れると、ほかの条件が変わらない限り、プロジェクト全体の完了予定も遅れます。ITパスポートでは、アローダイアグラムを見て経路ごとの日数を比べ、最長となる経路を選ぶ問題として押さえます。

目次

クリティカルパスとは

プロジェクトには、先に終わらないと次の作業を始められない作業があります。この前後関係と所要時間を並べたとき、開始から完了までの経路は一つとは限りません。その中で、合計日数が最も長い経路がクリティカルパスです。

ここでいう「最長」は、個別の作業時間が最も長いという意味ではありません。複数の作業を順に進める経路の合計時間を比べます。最長経路の合計日数が、プロジェクトを完了できる最短日数になります。

計算前に押さえる3点

  • 作業の矢印がどの順番でつながるかを確認する。
  • 開始から終点までの経路ごとに、作業日数を合計する。
  • 合計日数が最も長い経路を選ぶ。そこにある作業は、原則として余裕時間が0である。

アローダイアグラムでは、矢印が作業、丸が作業の区切りを表します。図の読み方に不安がある場合は、先にアローダイアグラムとは?ITパスポートのクリティカルパス計算をわかりやすく整理を確認してください。

計算例:最長経路を求める

次の作業を行うシステム導入を考えます。Aが終わるとBとCを並行して始められます。DはBの後、EはCとDの両方が終わった後、FはEの後に始めます。

作業 内容 所要日数 開始条件
A 要件の確認 2日 開始
B 設定設計 3日 Aの完了後
C 機器の手配 4日 Aの完了後
D 設定作業 2日 Bの完了後
E テスト 3日 CとDの完了後
F 移行 1日 Eの完了後

経路ごとの日数を計算します。

  • A → B → D → E → F:2 + 3 + 2 + 3 + 1 = 11日
  • A → C → E → F:2 + 4 + 3 + 1 = 10日

最も長いのは11日の「A → B → D → E → F」です。したがって、この例のクリティカルパスはA、B、D、E、Fで構成されます。プロジェクト全体を完了するまでの最短日数は11日です。

余裕時間(スラック)の考え方

余裕時間は、作業の開始や完了がどれだけ遅れても、プロジェクト全体の完了予定に影響しない時間です。スラック、フロートと呼ばれることもあります。

上の例では、CはAの完了後に始めて4日かかるため、6日目に終わります。一方、Eを始めるにはDの完了を待つ必要があり、Dは7日目に終わります。Cは7日目までに終わればEを始められるため、1日の余裕があります。

作業 完了が遅れた場合 余裕時間
A、B、D、E、F 全体の完了予定が遅れる 0日
C 1日までならEの開始予定を変えない 1日

試験問題では、余裕時間が0の作業を結んだ経路を問う形式があります。経路を比べずに、最も日数が長い一つの作業だけを選ばないように注意します。

似た用語との違い

用語 役割 クリティカルパスとの関係
WBS 必要な作業を分解して洗い出す 作業と担当範囲を整理してから、前後関係を考える
アローダイアグラム 作業の順序と所要時間を矢印で表す 経路別の日数を計算し、クリティカルパスを見つける
ガントチャート 作業の開始日、終了日、進捗を時間軸で表示する 重点的に確認すべき作業の日程管理に使う

WBSとは?ITパスポートで押さえる作業分解構成図とプロジェクト管理で作業の洗い出しを確認した後に、アローダイアグラムとクリティカルパスを学ぶと、各手法の役割を区別しやすくなります。

仕事での使い方

例えば、社内システムを導入する場合、要件確認、設定設計、設定作業、テスト、移行には前後関係があります。移行日を変えられないときは、クリティカルパス上のテストが遅れていないかを優先して確認します。機器の手配に余裕があると分かれば、その担当者をテスト準備の支援に回せるかを検討できます。

ただし、作業時間を短くすればよいとは限りません。担当者を増やす、作業を並行して進めるといった対応は、費用、品質、引継ぎのしやすさにも影響します。日程を短縮する必要がある場合は、クリティカルパス上の作業を対象にして、条件と影響を確認します。

日常生活での使い方

引っ越し当日を例にすると、荷造り、電気・ガスの手続き、退去時の清掃、鍵の返却には前後関係があります。荷造りが終わらなければ退去時の清掃を始めにくく、鍵を返せなければ退去は完了しません。一方で、住所変更の一部は前もって手続きできることがあります。

このように、予定全体の日付を左右する作業と、前後に動かせる作業を分ける考え方がクリティカルパスです。家事や旅行の準備でも、出発時刻や期限に直接影響する作業を先に確認する場面で使えます。

ITパスポートでの見分け方

  • 「プロジェクト全体の期間を決める経路」とあれば、クリティカルパスを考える。
  • 複数の経路が示されていれば、それぞれの作業時間を合計する。
  • 「遊び時間がない」「余裕時間が0」とあれば、クリティカルパス上の作業を指す。
  • 最も長い単独作業ではなく、最も長い経路を選ぶ。

日程と進捗の表示方法まで整理したい場合は、ガントチャートとは?作業・期限・進捗を見える化する工程表を読むと、アローダイアグラムとの使い分けを確認できます。

確認問題

問題1

開始から終了までの経路が8日、10日、12日の三つあるとき、プロジェクト全体の最短完了日数は何日ですか。

答え:12日です。 最長経路の12日が、全体の完了予定を決めます。

問題2

余裕時間が0の作業が1日遅れました。ほかの条件が変わらない場合、何が起こりますか。

答え:プロジェクト全体の完了予定も1日遅れます。 その作業はクリティカルパス上にあると考えられます。

問題3

WBS、アローダイアグラム、ガントチャートのうち、作業の前後関係と所要時間からクリティカルパスを求めるときに使うものはどれですか。

答え:アローダイアグラムです。 WBSは作業の分解、ガントチャートは日程と進捗の表示に使います。

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クリティカルパスは単独で覚えるより、作業の分解、前後関係、日程表示の順に学ぶと役割を区別できます。プロジェクト管理を体系的に学ぶ|計画・進捗・リスク・成果物では、関連用語を学ぶ順番を確認できます。

まとめ

  • クリティカルパスは、プロジェクトの完了予定を決める最長経路である。
  • 経路ごとの作業日数を合計して、最も長い経路を選ぶ。
  • 余裕時間が0の作業が遅れると、全体の完了予定に影響する。
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