非構造化データとは、表の行と列だけでは整理しにくい文章、画像、音声、動画、SNS投稿、メール本文などのデータです。ITパスポートでは、データ利活用を理解するための基本語として出てきます。
非構造化データの意味
非構造化データは、決まった項目にきれいに分けられていないデータです。
例えば、売上管理表なら、日付、商品名、数量、金額のように列が決まっています。これは構造化データです。一方で、問い合わせメール、会議メモ、写真、音声録音、動画、SNSの投稿文は、内容の形が毎回違います。これが非構造化データです。
名前に非構造化と付いていますが、まったく整理できないという意味ではありません。表形式では扱いにくいだけで、AI、自然言語処理、画像認識、音声認識などを使うと、意味を読み取って業務に活用できます。
ITパスポートではどこに出るか
ITパスポートのシラバス Ver.6.5 では、ストラテジ系の企業活動にある業務分析・データ利活用で扱われます。同じ並びには、構造化データ、量的データ、質的データ、時系列データ、メタデータなどがあります。
試験では、難しい分析手法よりも、どのようなデータが非構造化データに当たるか、構造化データとどう違うかを押さえるのが先です。
データ全体の使い方をつかむなら、関連記事の ビッグデータとは?活用例から試験対策まで徹底解説 もあわせて確認すると理解しやすくなります。
身近な非構造化データの例
非構造化データは、特別な会社だけが扱うものではありません。普段の生活にも多くあります。
- スマートフォンで撮った写真
- 動画投稿サイトの動画
- SNSの投稿文やコメント
- メール本文
- チャットのやり取り
- 通話音声
- Webサイトの記事
- アンケートの自由記述欄
これらは、表計算ソフトにそのまま入れても意味を集計しにくいデータです。ただし、文章なら単語や感情を読み取る、画像なら写っているものを判別する、音声なら文字起こしする、といった処理で活用できます。
仕事ではどう使われるか
仕事では、非構造化データを使う場面が増えています。
例えば、コールセンターでは問い合わせ内容の音声やチャット履歴を分析して、よくある質問や不満の傾向を見つけます。小売業では、商品のレビュー文を分析して、評価されている点や改善すべき点を探します。製造業では、設備の点検写真や作業記録から異常の兆候を確認することがあります。
重要なのは、非構造化データをそのまま眺めるだけでは判断に使いにくい点です。業務で使うには、分類する、タグを付ける、文章からキーワードを抽出する、画像から対象物を判定するなどの処理が必要になります。
構造化データとの違い
構造化データと非構造化データの違いは、決まった形で整理されているかどうかです。
| 種類 | 例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 構造化データ | 売上表、顧客一覧、在庫表 | 行と列で整理しやすい |
| 非構造化データ | メール、画像、音声、動画、SNS投稿 | 内容の形が一定ではない |
構造化データは、合計、平均、並べ替え、絞り込みが得意です。非構造化データは、そのままでは集計しにくい反面、顧客の声、現場の状況、画像や音声の情報など、表だけでは分からない情報を含みます。
構造化データの基本を先に確認したい場合は、構造化データとは?ITパスポートで出る整理されたデータの基本 を読むと、違いがつかみやすくなります。
AIと非構造化データの関係
非構造化データは、AI と相性がよい分野です。
文章を読み取る自然言語処理、画像の中身を判定する画像認識、音声を文字に変える音声認識は、いずれも非構造化データを扱います。最近の生成AIも、文章、画像、音声などを入力として扱うため、非構造化データの活用例として理解できます。
ただし、試験対策では、AIの細かい仕組みまで踏み込む必要はありません。まずは、メールや画像などの形が一定でないデータを、技術で読み取り、分類し、業務判断に使うという流れを押さえれば十分です。
試験で狙われやすい確認問題
問1
非構造化データの例として最も適切なものはどれか。
- A. 商品コード、数量、金額が列で整理された売上表
- B. 顧客番号と氏名が列で整理された顧客一覧
- C. 問い合わせメールの本文
- D. 商品別の月次売上を集計した表
正解はCです。メール本文は形式が一定ではなく、文章の意味を読み取る必要があるため、非構造化データに当たります。
問2
非構造化データを業務で活用する例として最も適切なものはどれか。
- A. 商品レビューの文章を分析し、不満が多い点を見つける
- B. 売上表の金額列だけを合計する
- C. 顧客番号順に一覧表を並べ替える
- D. 在庫表の数量が少ない商品だけを抽出する
正解はAです。商品レビューの文章は非構造化データであり、自然言語処理などで傾向を読み取れます。
問3
構造化データと非構造化データの説明として適切なものはどれか。
- A. 非構造化データは、業務では一切使えない
- B. 非構造化データは、文章や画像など決まった列に整理しにくいデータを含む
- C. 構造化データは、画像と音声だけを指す
- D. 非構造化データは、必ず紙で保存されるデータである
正解はBです。非構造化データは、文章、画像、音声、動画など、表形式だけでは扱いにくいデータを含みます。
試験対策で押さえるポイント
非構造化データは、表にきれいに収まらないデータと覚えると入りやすいです。代表例は、文章、画像、音声、動画、SNS投稿です。
構造化データは売上表や顧客一覧のように、行と列で整理しやすいデータです。非構造化データは、内容の形が一定ではないため、AI、自然言語処理、画像認識などで意味を取り出して使います。
暗記するときは、表にできるかどうかだけでなく、どんな情報が含まれているかを考えると得点につながります。顧客の声、写真、録音、自由記述のようなデータは、仕事の改善に使える重要な情報源です。
まとめ
非構造化データとは、文章、画像、音声、動画、SNS投稿のように、表の行と列だけでは整理しにくいデータです。ITパスポートでは、データ利活用やAI活用を理解するための基本語として押さえます。
試験では、メール本文、写真、動画、音声などを見たら、非構造化データと判断できるようにしておくと大きく外しません。

